言葉あそび入門№12 [文芸美術の森]
言葉あそび入門 その12
ひと味違うダブルの尻取り(巻・四)
いろはバージョンの実作例と総まとめ
コピーライター 多比羅 孝
多士済々とは、まさにこのこと! 皆さんそれぞれ際立った個性と技を発揮してくださいました。有難うございました。いい仲間たちですねえ。大大大大サンキューであります。
ただ、残念で、ちょっと心配なのは、今回、何人かの常連さんのご参加が無いこと。締め切りが過ぎても作品が届きません。
お元気だよ。お忙しいだけだよ。と、そうならいいのですが。そして、締切日を過ぎてからでも良いのですが・・・・・。お出来になったらお寄せください。
さて今回も皆さんからの作品を、到着順にご紹介します。素晴らしい「実例集」です。
◆一番手は志満子さん
甘くないコーヒー
意味も無く恋う
海の見えるカフェ
笑みを忘れた愁い顔
想いあふるる哀歌
添え書きには「何も聞かないでください」とあります。悲しい恋の歌。しくっと、涙です。(でも、オシバイですよね。上手!)
◆二番手は一番のりおさん
A 永ちゃんのコピー B
B ビールをあおるsea C
C シ~ンとしてる新曲発表デー D
D デーリーチャートは最下位~ E
E いーのさ何時かビッグウエーブ♪ F
そうですよ。「い~のさ何時かビッグウエーブ♪」そうですとも! それにしてもウエーブで「F」とは、考えましたねえ。
◆三番手は水野タケシさん
イー いい友である アル
アル ある日五七さん サン
サン サントリーホールで煙草吸う スー
スー す~っと後ろから、外は豪雨 ウー
ウー ウーワッ!と驚かせ笑い止らぬ竜 リュー
数字バージョンの中国語版ですか。そしてどういうわけか「サントリーホール」。ヘンなところが面白い。
◆四番手はたっつあんさん
イ いい湯だ入ろ ロ
ロ 露天風呂には ハ
ハ 葉が一面に ニ
ニ 憎らしトホホ ホ
ホ ほうきで隅へ ヘ
ヘ 平均温度 ト
ト とにかくアッチ チ
「ほうきで隅へ」と、仕方がないんですよね。箒が露天風呂にあるとか無いとかは別として、「ホ」だから「ホウキ」。それで良し。
◆五番手は再登場の一番のりおさん
イ 猪木がなんだこのヤロ ロ
ロ ローキックがズバ ハ
ハ バシっと青鬼 ニ
ニ ニヤリと笑む頬 ホ
ホ 吠えながら場外乱闘へ ヘ
不案内な私にはよく分かりませんが、プロレスに詳しい人ならきっと「ロッキーキック」や「青鬼のニヤリ」が、たまらないのでしょうね。(「場外」は分かりますよ。)
◆六番手は五郎七さん
イ 嫌じゃないだろ ロ
ロ 露天の風呂は ハ
ハ 裸で外に ニ
ニ 二歩三歩 ホ
ホ 惚れたお方へ ヘ
ヘ 返事ままだと ト
ト 問うてみたのち チ
チ ちとホロリ リ
待ってましたあ、都々逸! しゃれてます。艶っぽいです。『温泉 水滑らかにして 凝脂を洗う・・・・・白居易(772~846)・長恨歌』を思い浮かべます。
ただ、「返事ままだと」は「返事はまだと」ですよね。
◆七番手は寿限無さん
い 一斉スタート駅伝往路 ろ
ろ 6キロ過ぎて乱れる歩幅 は
は 伴走コーチの顔が鬼 に
に 人気実力今一歩 ほ
ほ 本気だしてもドベはドベ へ (ドベは「びり」方言)
へ 平たん坂道とぼとぼと と
と 途中棄権は避けたい気持ち ち
ち 地域の人の声援頼り り
り リードされても気にはせぬ ぬ
ぬ 縫ったお守り押えて走る る
る ルート1号繋ごう襷を を
を をんなはTVで正月平和 わ
「を」で「をんな」とは、旧いのをよくご存じですねえ。(いや、失礼。お年は千九百何年のお生まれ?)旧い言葉づかいでは「をとこ(男)」「をんな(女)」「をか(岡)」「をがは(小川)」でしたよね。
◆八番手はダチ瓶さん
い インドの山奥の隘路 ろ
ろ ロシアから来た皇帝派 は
は ハワイから来たスパイに に
に 日本から来たアホ ほ
ほ 香港へ へ
へ ペルーの過激派のアジト と
と とにかく食べる秋田小町 ち
ち 地球はちょっと大きい鞠 り
ひっくり返りましたあ。最初の1行から「ペルーの云々」までは、これは大変なサスペンスドラマもどきの展開、かと思って胸を躍らせていましたら「とにかく食べる秋田小町」。どさ~んと墜落させられました。やられたあ!
◆九番手は青毛のアンさん
い 痛いだろ ろ
ろ 蝋燭責めは は
は 初めてのプレイに に
に ニヤける頬 ほ
ほ ホラホラこんな所へ へ
へ ・・・。
青毛のアンさんの前回の作は、バーの片隅から始まる27行の「オジさんもの」でした。今度は「SMしばり」。語り出しの「痛いだろ」からショッキングでした。長いのを難無くこなすアンさん、ぜひ、この続きを!
◆十番手は再びたっつあんさん
チ 近くにひとり リ
リ 理由は知らぬ ヌ
ヌ 脱ぎ捨てている ル
ル ルール厳守を ヲ
ヲ お願いするわ ワ
掲出四番手の「秋の露天風呂」の続きだそうです。有難うございます。添え書きには「苦し紛れです」とありますが、どうしてどうして、いい流れです。たっつあんさんにも、この続きを読ませてください、と「お願いするワ」。です。
お寄せ頂いた作品は以上でした。皆さん、どなたもマイペースでお楽しみになった様子で、何よりです。
「いろは歌」も「五十音」も始めがあり、終わりがある固定表現です。ですからどうぞおひまを見て、最後まで、ものにしておいてください。
一度「完成」させておくと、あとから読み返したとき、とても良い刺激になります。「我れながら○○○!」と感じたり、おっと、ここ、ナオそう!と、もう一度取り組んだり・・・・・。自分が作った自分への教材になるわけですね。
「完成」させた日や、手なおしした日などを「○○年○月○日、記す」みたいに書き込んでおくと、なお楽しくなります。あとから見たとき。
◆◆さてここで、いつもですと「宿題」なのですが、今回は違います。◆◆
◆「ダブルの尻取り」が長々と続いてしまいました。私の不手際も原因になっていたでしょう。長期にわたり、あれもこれもとゴチャゴチャと、混乱気味です。
◆そこで下記のようなリストにまとめてみました。ご覧になって、思い出してください。少しは「整理・分類」のお役に立つかとも存じます。勿論、詳しくは「言葉あそび入門・その9」からのバックナンバーに載っているわけですけれど・・・・・。

◆では、では、お元気に。
追伸
毎回申しますが、このブログに載ったすべての作品(応募作品などを含む)や、文章について、無断利用は決してなさらぬようにお願い致します。著作権の問題があります。お使いになる際は、せめて≪知の木々舎のブログで見た○○○さんの作品(文章)≫とだけは明示してください。(多比羅 )







いつも素敵な記事を拝見しています。言葉の魔術師です。
by bell (2010-03-16 07:14)
いつも勉強になるお話、本当にありがとうございます。
オノマトペ、といえば土屋塾での土屋耕一先生のお話(課題)が
忘れられないのですが、
もしかしてそんなお話になるのでしょうか?
楽しみにしております。
by 水野タケシ (2010-03-16 09:36)
面目ないことに、前回の「本編」を見落としておりました。
他人の巧みな作品を鑑賞して喜ぶのも、
それはそれで良いものですね。
でも次回は愚作を投稿したいと思います。
オノマトペとは初めて耳にする外来語です。
楽しみだニャー。
by 楢崎茂彌 (2010-03-16 23:21)