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日めくり汀女俳句 №123 [ことだま五七五]

四月二十九日~四月三十日

                              俳句  中村汀女・文  中村一枝

四月二十九日

すみれ渡し部屋の温度にかかはれば
             『薔薇粧ふ』 童=春

 「無駄だ、不必要だ」と言われながらも未だに続いているのが結婚式の引出物。ほとんどが使われないまま、物入れの奥で時を経ている。葬儀では最近、一括して事業や施設に寄附したりもするが結婚式では余り聞かない。
 幸福のお裾分けという気持ちもわかる。私など、ウエディングケーキ、二、三片に会場の花でも添えたら充分と思うのだが、そうもいかないのが世の習いらしい。
 「私、三万円もはずんだのに、これじゃあ、みっともなくって」「何貰えるか、楽しみにしてたのにねえ」「お赤飯もねり切りも欲しかった」おばさん達の欲はつきない。

四月三十日

山の名はただ向山(むこやま)や麦青む
             『半生』 麦青む=春

 「近頃の新婚旅行事情ってあるのかなあ」
 長い間旅行社に勤めている友人に聞いてみた。
 「今迄とは違った形態とか、変わった行き先 ってないの?」
 「たまにはあるけど、今でも行く先はハワイが一番、それもね最近は家族ぐるみで行って向うでお式や披露あげちゃうのが多いわ」
 今のカップルは新婚旅行ではじめて愛を誓うなんて殆どいない。既に愛を交し合い時にはお腹に忍ばせていたりする。いわば新婚旅行は愛情の仕上げであり、総点検でもある。
 だから、最後のチェックに引っかかって成田離婚も又あるわけなのだ。

『日めくり汀女俳句』 邑書林


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