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往きは良い良い、帰りは……物語 №60 [文芸美術の森]

往きは良い良い、帰りは……物語
その60 TCCクラブハウスに於ける第6回
    「海月(くらげ)」「夏の朝」「毛虫」「ビール」

                         コピーライター  多比羅 孝(俳句・こふみ会同人)

◆◆平成30年5月某日◆◆
当番幹事さんから「重要なお知らせ」が届きました。下記のとおりです。

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          こふみ会の皆さまへ
       重要なお知らせです。

先日お送りした兼題、
茘子さんから、去年の6月にも出たとの指摘があり、
今月の兼題、下記に変更いたします。
大変申し訳ありません。
  「海月(くらげ)」と「夏の朝」
       
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6月のお弁当は、2種類用意する予定ですので、
早くいらっしゃればお好みのものが選べます。

「六月こふみ会」
期日  六月十日 午後一時より
会場  表参道コピーライターズ・クラブ
会費  千五百円

景品は合計千円くらいで、ご用意ください。
出欠席は、このメールに返信で虚視までお願いします。
今月はお弁当が取り寄せなので、六月六日(水)までに
必ず、メールか携帯に出欠の連絡をお願いします。

六月幹事   虚視 紅螺
幹事連絡先  090-2668-2222
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上記案内状に応えて、愉快なレターと見事なイラストが寄せられました。

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   返信レター(鬼禿氏より)
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返信イラスト(軒外氏より)


◆◆さて当日。6月10日。出席者12名。◆◆

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久しぶりに可不可氏も出席。写真右側の列、右から4人め。嬉しや氏からは大吟醸「澤乃井」のご寄贈もあり、感激。奥多摩吟行の想い出ばなしも出ました。

でも、酒蔵見学を兼ねたこの吟行に参加したのは、本日のメンバー中、矢太、虚視、可不可、孝多の4人のみ。そうですよ。また、みんなして、行かなくては!!の声も。

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ずらりと並んだ銘酒。これですよ、これ。


◆◆やがて、兼題と席題が張り出されました◆◆

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「海月」については、どれが一番いいか?「水母」「くらげ」「クラゲ」。歳時記に載っている一番多いのはどれだろう? 内容によって、どれが最も適切か作者は選んで使っているのでしょうけど。おそらく「クラゲ」と書いた句を載せている「歳時記」、あるいは「季寄せ」は無いでしょうね。

また、今回の席題には、蚕(かいこ)のように、つるりとした虫(幼虫)も、毛虫(ケムシ)の仲間に入れて考えている人もおいででした。
それを面白がり、まぜっかえして、或る人が、自分の頭を撫でながら言いました。「毛が生えてないのは毛虫じゃないんだよ、あっはっは」。

それがきっかけで、ケムシ、イモムシ、アオムシなどが話題に上りました。
印象的だったのは、兜虫(かぶとむし)の幼虫は卵からかえって、地面の下で育ち、やがて、さなぎになり、卵として生まれた翌年に成虫になる……つまり、幼虫時代は、つるり、ぷりん、ごろりんとした、裸(はだか)虫である。即ち兜虫のモトは「芋虫(いもむし)」でござる。ということを、ご存じない人も少なからずおいでになることも分かって、ベンキョウになりました。

そうかあ。それじゃあ、こういう方々には、仲々通じないかもしれないなあ。「蟻(あり)が鯛(たい)なら芋虫は(イモムシャ)鯨(くじら)」という、古くからの洒落。

そうだなあ。
こうした「自然」に関する語句を用いる場合のみならず、「社会的」な言葉を使う際にも、近頃は新旧の相違(ギャップ)が大きくなって来たという感慨を否(いな)むことができません。
「へえ~っ」という応対ことば。「半端じゃない」という感嘆表現、「やばい」という俗ことば、「忖度(そんたく)」という語句の真意を離れた無謀な誤用。「大丈夫」というあいまい措辞、「~になります」という責任回避用法、「~して頂いてよろしいでしょうか」という慇懃無礼……。などなど。沢山ありますよね。
みんなが、何事もないように、「ふつう」に使っているけれど、ムカシの人には馴染めない、イマのことば。ムカシと違うんですよね。変わったのです。もとに戻るでしょうか。

◆◆やれやれ、お待たせしました。当日のご馳走は……◆◆
幹事からの案内状にもあったとおり、弁当が2種類ありました。
ひとつは亀戸・升本の「和正食弁当」。解説書によれば、『動物性食材(肉、魚、卵、乳)や白砂糖、化学調味料、保存料等は一切使用しておりません』とのこと。
もうひとつは、同じ升本の通常の「割烹弁当」。
私が少々遅れて席に着いたとき、前に置かれていたのは「和正食」のほうでした。美味! 通常のほうも、おいしかったに違いありません。写真をご覧ください。

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亀戸・升本「和正食」弁当
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弥生さん差し入れの枇杷(小分け)と、「割烹弁当」。

◆◆さあて、さてさて、本日の成績発表で~す。◆◆
得点リストに記された「正」の字を数えて、係が声高に読みあげます。敬称略。

◆本日のトータルの天は~同点・お二人、40点の矢太と虚視。パチパチパチッと、みんなの拍手。
代表句=ビール飲む 45度で 雲も飲む      矢太
代表句=夕陽射す 運河は赤き 海月浮き     虚視 

◆トータルの地は~31点の鬼禿。パチパチパチッと、みんなの拍手。
代表句=夏の朝 守一(もりかず)の庭に 蟻二匹

◆トータルの人は~28点の孝多。パチパチパチッと、みんなの拍手。
代表句=いい本が 買えて帰りの ビールかな

◆トータルの次点は~同点・お二人 22点の舞蹴と可不可。パチパチパチッと、みんなの拍手。
代表句=生ビール 堂々と飲む 真昼間               舞蹴
代表句=朝礼の 声青々と 夏は来ぬ                 可不可


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写真。天位が同点でお二人、矢太氏と虚視氏(右から二人めと三人め)。
右端は人位の孝多。左端は地位の鬼禿氏。                                         
皆さん、おめでとうございました。上位の4人、揃って写真撮影。はい、ニッコリ!
なお、今回のブログ掲載の写真はすべて軒外氏によるもの。この労に対してもパチパチパチッであります。

◆こふみ会では、今年になってからずっと、女性メンバーによって、全句の清書が行われています。それを人数分複写して配布します。このプリントで各自が選句します。プリントを持ち帰ることもOKです。
神楽坂時代と違って、ここTCCではすぐ隣の部屋にコピー機がありますから、とても便利です。
女性たちの奇麗な、整った文字のおかげで、読みやすく、おや、これがオレの句かとびっくりするほど輝いて見えます。嬉しくなります。この女性諸氏のご尽力に対しても、メルシー・ボクー! パチパチパチッであります。

◆恒例の「絵付き短冊ギャラリー」も盛況です。係では短冊の本体も、絵付きのことを配慮して幅広のものを選んで購入しているとのことです。ご覧ください。オンパレードです。

       
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 天位の人に景品と共に謹呈する「絵付き短冊」

◆第582回を数えた今回のこふみ会も、語る、飲む、食べる、遊ぶ、作る、自作以外を鑑賞する……そんな楽しみを満喫し、かつ、余韻を残してお開きとなりました。

◆皆さん、また次回、元気に、愉快に集いましょう。七月の当番幹事の軒外さん、弥生さん、よろしくお願い申しあげます。不一 (孝多)
                     第60話 完

=====================================
第582回 こふみ会・本日の全句  平成30年6月10日  於TCCクラブハウス(第6回)

◆演題=海月(くらげ)       順不同
海に海月 空にUFO 陸に女              矢太
海月啼(な)く 錆の匂ひや 船溜り           鬼禿           
海月来て 素知らぬ顔で 邪魔をする        一遅
浮き沈み 明日どこ行く 海月かな          舞蹴
波まかせ 海月のごとき 余生かな          弥生
燈台の 廻りに集まる クラゲ居る           珍椿
くらげに触れる 母と思って 一人泳ぐ        軒外
夕陽射す 運河は赤き 海月浮き           虚視
波まかせ そこに海月の 自由かな         可不可
曇天の 海に小くらげ 為す事もなし         紅螺
海月の目 見つけてくれと ふるえてる       兎子
波が来れば すぐ流される クラゲです       孝多

◆兼題=夏の朝           順不同
夏の朝 読経の声行く 坂の道            一遅
夏の朝 守一(もりかず)の庭に 蟻二匹      鬼禿
船火事を 遠くに見しは 夏の朝           紅螺
窓を開け 海を眺める 夏の朝            珍椿
朝礼の 声青々と 夏は来ぬ             可不可
足跡も 無き砂浜や 夏の朝              虚視
出あひしは 羽化する命 夏の朝           弥生
空駆けて あの日に帰る 夏の朝          舞蹴
汗と汗 境い目のない 夏の朝             兎子
あっけなく 失なわれ行く 夏の朝           孝多
今日の青 買いに行く 夏の朝             軒外
夏の朝 少年のシーツ 天を指す           矢太                       

◆席題=毛虫          順不同
毛虫生る どっちが過去やら 未来やら       矢太
きらわれもの でもみていろよな 毛虫よ      軒外
いつ飛べる 葉陰で毛虫 ひとりごと         一遅
いつまでも 毛虫葉先に ジッとして          珍椿
毛虫にも 夢みる力 若葉食む             可不可
毛虫のように 嫌はれていたのに 安楽死     鬼禿
死んだふり いつまで続く 毛虫かな         舞蹴
腕に触れる 物をつかめば 毛虫なり        弥生
公園の 花嫁の肩に あら!毛虫           紅螺           
一塊(いっかい)と なりて毛虫の 蠢(うごめ)けり  虚視
花のあと 群がり群れる 毛虫ども          兎子
おお毛虫 孤独を背負(せお)って 這(は)いのぼる  孝多

◆席題=ビール         順不同
いい本が 買えて帰りの ビールかな         孝多
のど仏 グビグビさせて ビール飲み          珍椿
ビール運ぶ ピチピチ老女の 描き眉毛       紅螺
生ビール ドーンと1リットル 呑んで青空       鬼禿
ビール買い 缶捨てる それだけの夏        一遅
懲りもせず 新発売の ビ-ルかな           可不可
共白髪 となれず独りの ビールかな          弥生
生ビール 堂々と飲む 真昼間              舞蹴
江ノ電の 窓からのぞく 夕餉のビール         軒外
認定す 絶滅危惧種 瓶ビール              虚視
ビール飲む 45度で 雲も飲む              矢太
打ち明けて ビールに消える 君の声         兎子                       

                                       以上12名48句

★当会にて作成された俳句の無断使用は御遠慮ください。    

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水野タケシ

孝多先生、いつも楽しいリポートありがとうございます!!

わお!なんと可不可さんも復活ですか!!

ますます豪華メンバーですね!!

7月も楽しみにしています!!
by 水野タケシ (2018-07-03 08:11) 

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