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台湾・高雄の緑陰で №23 [雑木林の四季]

           中華人民共和国の焦り

                 在台湾・コラムニスト  菜に 聡明

 戦後台湾を中華民国国民党政府(簡称:国府)に長期台湾統治を許した日本本土占領軍のマッカサー司令部は国府軍が228事件で台湾人を擬日本人とみなして殺戮を始めた際、国府主席の蒋介石が更に台湾へ増援軍を送ることを止めず、結果として其の事件で2万8千人の台湾人が殺害された過去があった。私はマッカサーはその責任を問われるべきであると台湾の新聞社へ投書したことがある。今でも私はアメリカは台湾人への償いとして、民主台湾を共同で共産中国の併呑から守る義務があると考えている。
 米国はソヴィエトロシアを牽制するため、領土問題で中露関係が悪化していた中華人民共和国政府を篭絡して親交を深めていたが、1979年に国府と断交して中華人民共和国と国交を結んだ。全球化(Globalization)を提唱した米国は中国が西側諸国と貿易を促進する事によって得る富で民主化へ転向することを期待し、西太平洋の要に位置する台湾を無視する政策を取るようになった。だが、平和建国を唱えて各国と経済交流を進めた中国は国家資本主義で得た巨額の富を行使して軍事強国を目指し、更に2015年には習近平が2013年に提唱したアジアとアフリカの発展途上国家に援助資金をばら撒く「一帯一路」と呼ぶ経済侵略政策を実行にうつしたのである。
 2016年にトランプ氏がアメリカ大統領に就任すると中国が軍事と経済で世界制覇を目指していることを痛切に感じ、台湾の存在を重視するようになり、2018年に対中経済制裁に踏み切った。米中貿易戦争は現在進行中である。近年来成金で偉ぶっている中国は米国とその同盟国との貿易戦に怯まず反撃に出ているが、そのうちに青息吐息をするのは必定である。トランプ氏は同盟国である民主諸国家にも貿易不均衡の理由で制裁を加えると恫喝したが、その後EUの代表やカナダ政府との折衝で制裁は緩和されるはずだ。米国が同盟国と中国を同一視するのは無理で軽率でもある。
 私が注目したのは西太平洋の要に位置する台湾の戦略的重要性を米国が再認識したことである。米国は1980年に国内法として「台湾関係法」立法したが、2016年に大統領に当選したトランプ氏は台湾からの祝賀國際電話で蔡英文氏を総統と呼称した。2018年、米国国会は米台政府高官の相互訪問を許す「台湾旅行法」と国防に必需の武器を台湾へ売却する「国防授権法」を立て続けに立法した。また公海である事を証明する目的で米駆逐艦が台湾海峡を2度航行した。来る9月に台北市に新しく建築された広壮な「アメリカ駐台湾会館(AIT)」には米海兵隊員が警衛することに決まったが、それはAITが大使館並みの外交機関であることを意味する。
 米国の新しい対台湾政策に中国が苛立つのは当然だと考えられているが、台湾に対する中国の面あてと仕打ちは余りにも粗雑で滑稽でもある。中国政府は台湾へ向かう貨客機の目的地を「台湾台北」ではなく「中国台北」に改めるよう各国航空会社に強要;また4年前既に台湾の台中市で挙行することに決まっていた2019年8月の「アジア青年運動会」の取り消しを発表するなど、ヒステリーをくりかえしている。更に、台湾は祖先から残されたた国土の一部であるとして絶対に統一すると豪語、だが、その祖先が何者であるかは明らかにしていない。若しその祖先が欧亜大陸を一時統一した蒙古のジンギスカンであれば、ウラジボストックを含む東シベリヤやEUのメンバー国であるチェコ、オーストリヤ、ハンガリー、を含むEU諸国も祖先が残した領土であのだが、中国はその広大な土地を自国の一部として統一するとは言っていない。共産中国は弱肉強食のモデルである。
 対米、対欧、対日の貿易戦争で、敗退すれば中国は莫大な財政と投資資金を失い、世界経済制覇の夢を棄てて、軍事覇権の道を選ぶ可能性もあるが、私は米国がリードする民主国家はそのような事態の発生を防ぎながら、中国を國際公法と人権を守る民主国家へ転向させる努力を忘れてはならないと思う。ただ「天下統一」は古来China大陸の統治者の野望であったが、今では世界覇権に切り替えた中国と安価な妥協は絶対避けるべきである。

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