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猿若句会秀句選 №87 [ことだま五七五]

猿若句会特選句集  87 (2018年7月21日)

                      猿若句会会亭  中村 信

蝉時雨森が本気を出してをり   大橋一火
土砂を掻く吉備に蝉声調はず   丸本 武
黙祷の耳に読経の蝉時雨   児玉竹子
目の眩む土用の海のうねりかな   川上登美枝
寺の鐘鳴りて蝉音鎮まれり   佐竹茂市郎
夜の秋真っ赤な車ショールーム   伊藤 理

◆猿若句会六月例会の特選句集です。例によって一句だけの短評から始めます。
[短評]  [蝉時雨森が本気をだしてをり 一火] 「蝉時雨の鳴き声の大きさに負けないように森も本気を出してきた」が句意とでも言えますか。不思議な感じがするのは、「森」を擬人化している一点です。決して間違えたわけでも、筆が滑ったわけでもありません。確信犯です。しかし、森が本気を出したらどうなるのでしょう。誰にも解かりません。だから自由に解釈してください。蝉の声に負けないように対抗して森も大声を出しているのでしょうか。いや、森は沈黙を守ることで対抗しているはずだ。いやいや、森が蝉の鳴き声をが出しているように聞こえるとの措辞にすぎない、ETC。と解釈を拡げることは作者の術中に嵌まっていることになりそうです。ここは深読みしないで「森全体の蝉が一斉に鳴きだした様子は、まるで森が本気をだしているように聞こえる」と素直に読むのが正解かもしれません。どうせ深読みをするなら徹底的にやってみてください。そして原句を超える鑑賞が出来たら私にも見せてください。
 なお、恒例の猿若句会句会‘18年度上半期特選作品は一席[一湾の闇動かすや蛍烏賊 和也]、二席[麦踏んで南アルプス近くせり 竹子]、三席[節酒せよ馬耳東風の三ケ日 弘道]、同[糸瓜蒔く加齢は電池減るごとく 呆信]に決まりました。
◆句会での特選以外の秀作・佳作については中村信のホームページ《あ》[ http://saruwakakukai.web.fc2.com]をご覧ください。(ただし、該当欄が一時的に更新不能のため、同「掲示板」投稿欄にて代替しています)

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