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私の中の一期一会 №174 [雑木林の四季]

      テニスの女子シングルス決勝で大阪なおみが日本人初の全米オープン制覇!
      ~「こんな終わり方でゴメンナサイ。試合を見てくれてありがとう」と涙~

                      アナウンサー&キャスター  藤田和弘

 ニューヨークで現地8日に行われたテニスの全米オープン女子シングルスの決勝で、日本の大坂なおみ(20)が、グランドスラム優勝23回の女王セリーナ・ウイリアムズ(米=36)と対戦、6―2,6-4のストレートでウイリアムズを降し、グランドスラム初優勝を達成した。
 2014年の全米オープン準決勝で、錦織圭が当時世界ランク1位のノバク・ジョコビッチと顔を合わせ、6-4,1-6、7-6、6-3の大接戦の末、日本人初のグランドスラム決勝進出を果たした。
 しかし、決勝ではクロアチアのマリン・チリッチにストレート負けを喫して準優勝に終わっている。
 日本人選手が4大大会に優勝したのは男女を通じて史上初の快挙であり、大坂なおみは「女子テニス界のシンデレラ」として一躍世界から脚光を浴びる存在に躍り出た。
 しかし、今年の全米オープン女子シングルスの決勝は、ペナルティをめぐってセリーナ・ウイリアムズとカルロス・ラモス主審のバトルが大きくクローズアップされたため、大坂みなみの初優勝を称えるムードが盛り上りを欠いたように思えてならない。
 ウイリアムズは、パワフルな大坂なおみの勢いに押され、なかなかペースがつかめず、第1セットは2-6とやや一方的に大坂にセットを奪われたのである。
 第2セットに入ると、ムラトグルー・コーチがスタンドのコーチ席からウイリアムズに向けて、ハンドシグナルを送っているよに見えたと米スポーツ専門局ESPNが報じている。
 テニスでは試合と試合の合間にコーチングするのは許されているが、試合中のコーチングはルール違反になる。
 ラモス主審は、「コーチングがあった」と判定してウイリアムズに最初の「警告」を与えた。
 このペナルティに不服のウイリアムズは「コーチから助言を受けるなどズルいことはしていない。この判定はおかしい」と抗議したが受け入れられなかった。
 イライラが募って、感情のコントロールが出来なくなったセリーナは、第5ゲームでラケットをコートに叩きつけて壊わしてしまった。
 ラケットの破壊は、スポーツマンシップに反する行為でルール違反になる。2度目の違反は「ポイントペナルティ」だから、相手にポイントが与えられる。大坂なおみに1ポイントが加わりセリーナは追い詰められていく。
 今年の全米オープンは、出産後のウイリアムズの復帰を祝う大会と言われていたから、スタンドの観客は、ほとんどがセリーナを応援していた。
 大坂がポイントを取る度にブーイングが起こったから、大坂なおみにとって完全にアウエーの中での大一番という試合になった。
 セリーナは、「このウソつき!」とか「私のポイントを奪った泥棒!」、「謝りなさい」などとラモス主審に罵声を浴びせ続けた。当然のように、これは暴言とみなされ3度目の違反が科されることになった。
 違反3度目はゲームペナルティになりウイリアムズは1ゲーム失ったのである。もし4度目の違反をしたら失格になるところまで来てしまった。
 3万の観衆で埋まるスタンドは主審へのブーイングで異様な雰囲気になっている。
 セリーナが主審に抗議している写真をみると、大坂なおみは2人に背を向けバトルから遠ざかろうとしているように見える。
 この時「セリーナはどんな状況でも、必ず盛り返してくるだろう」と考え、乱されないよう自分に集中していたというから立派なものだ。この落ち着きはメンタル面で成長したことを物語っていたと思う。
 マッチポイントは大阪なおみの弾丸サーブがサービスエースとなって優勝が決まった。
 アウエーを意識したのだろうか、大阪はグランドスラム初優勝なのに飛び上がって喜ぶことをしなかった。
 ゆっくり椅子に戻ると、こみ上げる涙をタオルで何度も拭って静かに座り続けた。
 スタンドで観戦していた母、環さんの所へ駆け寄って抱き合い喜びを分かち合ったのはしばらく経ってからだった。
 優勝の表彰式までブーイングが続いたのは驚くばかりだが、大阪なおみが「みんながセリーナを応援していることは分かっていた。こんな結果になってゴメンナサイ。試合を見てくれてありがとう」と涙しながら勝者らしからぬコメントを口にした時、セリーナもブーイングを辞めるよう周囲に呼び掛け、やっと静かになったという。
 結局セリーナは試合に負けた上に、コーチング違反、ラケット破壊行為、主審への暴言という3つの違反行為により、全米オープン主催者から罰金1万7000ドル(約189万円)が科されたのである。
 試合後、ウイリアムズが、男子選手より厳しい扱いを受けたと訴えて「男子選手が審判に罵声を浴びせるのを私は何度も見ている。私は、女性の権利、平等、あらゆる琴のために戦っている。男子選手が泥棒といっても1ゲームを取り上げるようなことはしないだろう。私から1ゲーム取り上げたことは最も性差別的な反応に感じる」とコメントしたことによって、ペナルティ賛否をめぐる世界的論争の発端となったのである。 
 英国デイリーメール紙は、18回のグランドスラム優勝を誇る女子テニス界のレジェンド・マルチナ・ナブラチロワが、主審は誠意をもって誠実に判定を下したと述べ、「セリーナは怒りをコントロールすべきだった」と語ったと伝えている。
 またベッカー・マッケンロー戦の主審を務めた経験を持つリチャード・インクス氏がBBCラジオで「ラモ氏は完璧な審判を行った」と語り、主審を擁護したと伝えた。 
 AP通信は「この試合はウイリアムズが主審と衝突して謝罪を求めたことで永久に記憶されるだろう」と報じてセリーナの態度を批判した。、
 USAトゥディ紙は、「ラモス氏はルールに従って判定をした」と擁護しながら、確かにテニス界に男女差別は存在するかも知れないが、8日の試合にあったとは思えないと報じ、男女差別に疑問を呈した。
 9日に男子決勝をを制したノバク・ジョコビッチは「ラモス氏がセリーナを追い詰めたことは確かだが、ラモス主審の判断に性差別は存在しない」と断言している。
 国際テニス連盟は試合の2日後「ラモス氏は、規則に従って審判としての職務を果たした。常にプロらしく誠実に振る舞っていた」という声明を発表した。
 世界のメディアは総じて、ラモス主審擁護の見解が多い。セリーナ・ウイリアムズの「女性差別の判定」という訴えは実を結ばないだろう。
 カルロス。ラモス氏は、母国ポルトガルの地元紙に「私は大丈夫。アンハッピーな状況だが、好みによる判定など存在しない。どうか私のことは心配しないで欲しい」と語ったという。
 カルロス・ラモス氏は、大坂なおみと共に今や世界に名を知られた「時の人」である。
  

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笠井康宏

藤田さん、こんばんは。セリーナ・ウィリアムズは大坂の強さにどうしようもなくて、主審に八つ当たりした印象があります。大人気ない、失格負けが妥当だと思います。女王の名が泣きますよ。大坂は頑張りました。お見事です。
by 笠井康宏 (2018-09-17 18:10) 

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